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雑記ブログと特化ブログ

雑記ブログと特化ブログ

ブログの収益化について話していると、「雑記ブログがよいですか、特化ブログがよいですか」という質問をされる方が、よくいらっしゃいます。

結論から言うと、どちらでもかまいませんが、まずは、それぞれがどんなものなのか、順に見ておきましょう。

雑記ブログと特化ブログの違い

雑記(ざっき)ブログは、テーマを絞らず、いろいろなことが書いてあるブログです。

たとえば、その日の出来事や、使ってみたもの、調べて分かったこと、趣味の話、仕事の話、気になったニュース。ジャンルのちがうものが、いろいろ並んでいます。日々の生活を記録していく「ライフログ」も、テーマを一つに決めていないので、この雑記ブログの形になります。

いっぽう、特化(とっか)ブログは、テーマがひとつに絞ってあるブログです。たとえば「格安スマホ」のことだけ、「敏感肌の化粧品」のことだけ、というように、ひとつのことが、くわしく掘り下げて書いてあります。

なぜ、どちらかを選ぼうとするのか?

ここまで読んで、「では、自分はどちらにすればいいのか」と、思っている方もいらっしゃるでしょう。ですが、その前に、少し立ち止まってみます。そもそも、なぜ私たちは、どちらか一つに決めなければ、と思ってしまうのでしょうか。

「特化ブログのほうがよい」と言われるとき、その理由は、たいてい検索対策です。テーマをひとつに絞ると、同じ分野の記事が集まって、そのことに「詳しいサイト」に見えます。すると、検索した人にも、検索エンジンにも信頼されて、検索の上のほうに表示されやすくなる。だから稼ぎやすい、という理屈です。

これは、たとえばこう考えると分かりやすいです。同じテーマで20記事あるブログと、20のテーマに1記事ずつのブログ。どちらが「詳しそう」に見えるでしょうか。まちがいなく、前者です。ひとつに集めたほうが、力が出る。これは、確かに本当のことです。

いっぽう、「雑記ブログのほうがよい」と言われるときは、たいてい別のことを見ています。テーマを絞らないほうが、書くことに困らない。ネタが尽きず、続けやすい。始めるハードルも低い。こちらも、本当のことです。

ここで気づいてほしいのは、この二つの意見は、けんかしていない、ということです。ただ、見ている場所が、ちがうだけです。「特化がよい」は、記事が集まってきたときの、力の出し方の話。「雑記がよい」は、そもそも書き続けられるか、という入口の話。片方は先の景色を、片方は足元を見て、それぞれ正しいことを言っているのです。

そして、大事な順番があります。書き続けられなければ、集めるための記事が、そもそも生まれません。どんなにうまくテーマを絞っても、20記事も書かないうちにやめてしまえば、力は出ないままです。逆に、書き続けてさえいれば、記事はたまっていきます。

しかも、「自分が20記事も書けるテーマ」が何なのかは、書く前には、なかなか分かりません。稼げそうだから、という理由だけで選んだテーマは、たいてい、書いているうちに苦しくなって、続きません。書いてみて、はじめて「これなら続けられそうだ」というテーマが見えてきます。

ですから、順番はこうです。まず、書き始める。続けているうちに、書いていて楽しいテーマ、人より少し詳しく書けるテーマが、見えてくる。そうしたら、そこへ記事を寄せていく。そのとき、そのブログは、自然と「特化」の形に近づいていきます。

「雑記か、特化か」は、最初に選ぶものではありません。書き続けた先で、自然と決まっていくものです。最初にすることは、どちらかを選ぶことではなく、続けられる形で、まず一本目を書き始めること。続けてさえいれば、ブログは、あとから強くなっていきます。

では、どうやって育てていくのか

前の記事で、はじめての一本目は、日々の暮らしを書きとめる「生活の記録(ライフログ)」から始めましょう、とお伝えしました。ここでは、その生活の記録を、どう育てていくかをお話しします。

生活の記録を続けていくと、あることに気づきます。書く話題が、だんだん、自分のよく手をかけていることに、かたよってくるのです。よく作る料理、続けている趣味、子どものこと、仕事で使う道具。暮らしの中で、自分が多くの時間を使っていることほど、書くことも自然と増えていきます。

そうしたら、次は、その増えてきた話題を、「かたまり」にまとめていきます。ばらばらに一本ずつ書いていくのではなく、近いテーマの記事を集めて、つながりを作っていく。あるテーマについて、中心になる記事を一本立てて、その周りに、関連する細かい記事を何本も書き、リンクでつないでいく。すると、その一群が、ひとつの「詳しいかたまり」になります。記事を一本ずつ、ばらばらに戦わせるより、こうしてかたまりで攻めるほうが、ずっと強い。ひとりの力ではなく、団体戦にする、というイメージです。こうした作り方には、「トピッククラスター」という名前もあります。

このとき、「こんな細かいこと、調べる人なんているのだろうか」と思うような、小さな記事も、書く値打ちがあります。ひとつひとつは小さくても、かたまりの厚みになり、中心の記事を、そしてブログ全体を、支える力になるからです。検索する人が多いか少ないかだけで、書くかどうかを決めなくてかまいません。そのかたまりに必要なら、書く。それだけです。

こうして、生活の記録の中から育ったかたまりが厚くなっていくと、あるとき、ひとつのテーマが、ぐっと「詳しいサイト」の顔になってきます。そのブログは、いつのまにか、特化ブログのような形に近づいています。さらに続けていけば、ひとつのブログの中に、その「詳しいかたまり」が、いくつもできていきます。そうなると、もう、雑記か特化か、という線引きそのものが、意味をなくします。全体で見れば雑記、かたまりごとに見れば特化。その両方が、ひとつのブログの中に、同時にあるからです。

ただし、ここまでの道が、たった一つの選択で、はじめからふさがってしまうことがあります。それが、ドメインの選び方です。もし最初に、ひとつのテーマだけを表す名前——たとえば「格安スマホ」という言葉を入れたドメイン——を取ってしまうと、それはもう、一本も書かないうちに「特化」を選んでしまったのと同じです。生活の記録のように、いろいろなことを書くことができなくなり、あとでテーマを変えることも、いくつものかたまりを抱えることも、できなくなります。「まず生活の記録から広く書いて、続けた先で見つける」という道が、いちばん最初のドメイン選びで、閉じてしまうのです。

前の記事で、ドメインは、自分のイニシャルやニックネームから取った名前がおすすめ、とお伝えしました。その理由が、ここにあります。名前のドメインなら、どんなことを書いても、かたまりがいくつ育っても、そのまま抱えられます。そして、もし将来、その尖ったかたまりを、独立した専門サイトとして大きく育てたくなったら、その部分だけを「サブドメイン」という形で切り分けて、別の特化ブログにすることもできます。名前のドメインは、生活の記録を広いまま育てる道も、あとで一部を切り出す道も、両方を、あとから自由に選べるようにしておいてくれる——そういう備えなのです。ただし、切り分けは、書き続けて、テーマが定まって、長く運営していく見通しが立ってからの、ずっと先の話。いま気にすることではありません。

ですから、いま、するべきことは、やはり一つです。まず、生活の記録を書き始める。そして、続けながら、少しずつ、かたまりを育てていく。どう育つかは、書いた先に、見えてきます。